2011年09月01日

世良×堺

・愛を舐める



「俺、マッサージとかそういうの出来ないんで
 もう舐めるしかないんですけどいいですか?」
「…なにがどうなってそうなってるんだそれは」

えらく考え込んだように難しい顔して俯いてたから
しばらく放っておくかとお茶を口に含んだところで
吐かれ、噴出しそうになったそれを飲み込んでから
ようやく返せた言葉に世良は不思議そうな顔をした。

「なんか色々考えた結果、です!」
「なんだよ、何考えてんだよお前」
「や、それは、堺さんにもちょっと」
「…言えないような事を口に出すな」

世良のスイッチはどこでオンオフの切り替えになるのか
この舐めるという単語を嫌という程聞かされた気がする。
嫌ではない。特に害もなく、なし崩しでそういう事になり
またやっちまった感はあってもそれはそれで満足している。

ただ、顔中体中舐めまわしながら一人で楽しめるこいつは
他の事を引き合いにだして窺いたてることはなく、単純に
舐めたいからという理由でしか聞いてこなかった。
その聞く、ということに意味がなかったとしても。

「…で?なんで急にマッサージ出来るだ出来ないだなんだよ」

ソファに座りながら足元に座る世良に目線をやると
珍しく困ったような顔をする。言い出しにくい事を
どう切り出そうか迷っているような、子供の顔だ。

「おれ、すげー心狭いんです」
「知ってる」
「っ、人間!小さいんです!」
「知ってるし声でけーよバカ」
「なんで、知ってるんすか?」
「…さぁな」

それを、知っていても理解出来るというのは違う。
なにもかも違いすぎる世良との溝は深くて厚くて
たまに持て余す。理解が出来ても選ぶものが違う。
出来ないことだって多い。
それを壊した奴がなんで。

「嫌いになんないで下さい」

そういう事を吐けるのか。


つづき
posted by 麦 at 00:00| GK